フリーエンジニアの経理処理で最も大切なことは、毎日きちんと事務処理をすることです。日記なども同じことで、毎日きちんとつけていないと続けることが難しくなります。一日でも休んでしまえば「後でまとめてつけよう」と考えてしまい、そのままつけることをやめてしまうことも。経理も同じことがいえると思います。フリーエンジニアでは、毎日経理処理が必要になることは少ないかもしれませんが、お金の入出金が発生する度にサボらずコツコツと記帳することが重要です。
経理というのは、とにかくコツコツとお金の動きを記録していくことです。これは、金額や事業規模に関わらず同じことがいえるでしょう。領収書をもらったらその日のうちに記録する。そういったことがフリーエンジニアの経理処理では重要になってきます。
また、個人事業主特有の事情としては、プライベートなものと事業で必要な経費をしっかりわけて処理することが大切です。領収書もプライベートで使ったお金なのか、仕事上やむを得ず支払ったものなのかきちんと区別しておきましょう。
「帳簿は経理の知識が必要」と専門書を買ったり、本業と同じくらい力を入れる人もいるようですが、それでは本末転倒です。あくまで、経理は記録することがメインです。それ以上のことはプロに任せるなり、自動で計算してくれる専門のソフトを使うほうが利口なやり方です。
フリーエンジニアは、一人で事業をしている人が多いと思います。経理に必要以上の時間をかけることはフリーエンジニアにとって意味のない作業といっても過言ではないでしょう。
前述のとおり、フリーエンジニアに毎日のようにお金の動きがある場合は稀かもしれません。しかし、油断は禁物です。領収書がある場合はそれをとっておけばある程度の管理はできるでしょうが、そうではない場合、きちんと記録しておかなければ忘れてしまうことも多いものです。
フリーエンジニアであれば、自分でエクセルを駆使したりして記録する方法を工夫すると良いでしょう。専門のソフトを使えばより簡単で計算なども自動化でき手間を省くことができます。
また、1週間又は1ヶ月のうち決まった時間を作るのも有効な方法でしょう。曜日でも日付でもいいですが、事務処理をする時間を予め決めておくことで習慣化することができるでしょう。フリーエンジニアは、こうした事務処理が苦手だという人が多いと思いますが、様々な工夫をすることでその負担を軽くする努力をするべきです。事務処理が本業に支障をきたしてはいけないからです。
確定申告とは、所得に応じた所得税額を確定し税金を納めるまでの手続きをいいます。青色申告とは、青色申告決算書という書類で所得を申告することによって、税制上の特例が認められる制度のことを言い、正確にいうと、青色申告と確定申告は別のものになります。一般的に白色申告といわれる方法では、青色申告決算書に該当する書類として収支内訳書という書類で所得額を申告することになります。収支内訳書を利用する場合は、貸借対照表や損益計算書は不要で、記帳方法も簡易簿記で良いことになっています。
青色申告ならではの節税対策として活用したいポイントが、減価償却の特例です。10万円以上のものは資産として扱い、減価償却費として数年にわけて経費処理するという税務上のルールがありますが、青色申告の場合は、30万円未満の資産であれば減価償却分をその年に一括で経費処理することが認められています。年間あたり合計で300万円まで認められるため、利益が出た年の年末近くに節税対策で物品購入をする場合などにも、大変便利な特例です。
青色申告だと30万円未満の減価償却資産を一括経費にできる の詳細を見る
フリーエンジニアになると、業務の一つに経理作業が追加されます。所得や節税対策にも関係するため、経理作業に関する知識はつけておいて損はありません。フリーエンジニアになる準備のために受けたセミナー参加費用、名刺の準備にかかったデザイン費や印刷代などは、開業届を出す前のことでも開業準備金というものに当てられます。フリーエンジニアの仕事場として重宝されているコワーキングスペースの利用料も、経費で処理できます。